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解説・作例 · 仕事の整理 ·

AIで会議メモを整理する:決定と未決を混ぜない

元の6行と整理結果を照合し、担当・日付の読み違いを見つける。

この記事の目次

会議メモをAIで短くまとめるとき、確認したいのは文章の自然さだけではありません。提案が決定事項になっていないか、担当者や期限が勝手に埋まっていないかを、元の記録と照合します。

この記事は、開発の打ち合わせを整理する人向けの解説です。以下の会議メモと整理例は架空の作例で、実際の会議や製品の精度評価ではありません。AIに整理を手伝わせる際の、出力の確認方法を扱います。

まず、決まったことと次にすることを分ける

GitLabのCells Infrastructureチームは、会議の要約に加え、担当者付きの作業と決定理由を記録する運用を公開しています。Team processes

同じページでは、当番の引き継ぎにDuo/AI Chatで要約を作り、担当者が校閲・修正してから投稿する手順も説明されています。会議メモそのものの精度検証ではありませんが、AIの整理と人の確認を組み合わせる、公開された運用の例です。

この運用を参考に、この記事では「決定事項」「提案・未決事項」「次の作業」を分けます。分類は記事側の整理案で、すべての会議に共通する必須書式ではありません。

作例:6行の開発会議メモを整理する

新しい資料検索画面の打ち合わせを想定します。後から照合できるよう、元のメモに番号を付けます。

[1] 初回公開では、日本語の資料だけを検索対象にすることで合意した。
[2] 英語の資料も検索できるとよさそう。対象に含めるかは次回決める。
[3] 佐藤:権限のある資料だけが検索に出るか、サンプルで確認します。
[4] 権限の確認結果は、9月18日の打ち合わせで共有する。
[5] 公開日は9月25日を目指す。ただし、権限の確認が終わってから確定する。
[6] 利用案内を書く担当者は、まだ決まっていない。

ここから作る整理例は次のとおりです。各行に根拠の番号を残し、要約だけで合意内容を判断しないようにします。

分類 整理した内容 元のメモ
決定事項 初回公開の検索対象は日本語の資料 [1]
提案・未決事項 英語資料を対象に含めるか、次回決める [2]
次の作業 佐藤が、権限のある資料だけが検索に出るかサンプルで確認する。結果の共有日は9月18日。共有担当者は記録にない [3][4]
未確定の日程 公開の目標日は9月25日。権限の確認後に確定する [5]
未決事項 利用案内の担当者を決める。担当・期限は記録にない [6]

「9月18日」は結果を共有する日として書かれています。確認作業の開始日や、正式な締め切りまで合意したと読み替えないようにします。佐藤が結果の共有も担当するかは記録にありません。また、確認範囲は「サンプル」であり、すべての資料を検証するとは書かれていません。公開日の年やタイムゾーンが必要な場面では、それも元の記録に確認します。

整理結果で見つけたい3つの誤り

以下は、レビューで注意したい誤りの作例です。特定のAIから実際に出た回答ではありません。

提案を、決定事項に変えている

「英語資料にも対応する」と書かれていたら、[2]と食い違います。話題に出たことと合意したことを分け、「次回決める」を残します。

条件付きの日程を、確定日に変えている

「9月25日に公開する」だけでは、[5]にある確認条件が消えます。目標日と確定日を区別し、何が済めば決められるかを残します。

近くに出てきた人へ、未決の作業を割り当てている

「佐藤が利用案内を書く」となっていても、[3]で佐藤が引き受けたのは権限の確認です。[6]の担当者は未決のまま扱います。「誰かを入れておいた方が表が整う」は、記録を補う根拠にはなりません。

AIに渡す前と、結果を使う前の確認

使ってよい会議記録とAIサービスの範囲を確認したうえで、整理に必要な部分を用意します。今回のような練習では架空のメモで十分です。実務では、自社の情報の取り扱いルールに合わせます。

AIには、分類と根拠の番号を対にし、分からない担当・期限は不明のまま残すよう伝える案があります。ただし、番号が付いていても内容が正しいとは限りません。[2]を根拠に「英語対応は決定」と書かれたら、番号の形式は整っていても誤りです。

整理結果は、次の順で確認します。

  1. 決定事項の各行を、元の発言・合意の記録と照合する。
  2. 日付の条件や「次回決める」などの留保が残っているか確認する。
  3. 担当者と作業の組み合わせを、一つずつ照合する。
  4. 元のメモを最初から読み、整理結果から抜けた項目がないか確認する。
  5. 記録自体が曖昧な点は、会議の参加者に確認する。

出力から元のメモへ戻るだけでは、丸ごと抜けた話題を見つけにくいため、4番目は逆方向にも読みます。元の記録が欠けている場合、AIの整理だけで会議の内容を復元したとは扱いません。

整理したことと、合意したことは別

今回の作例でAIに任せたい範囲は、記録の分類と確認候補の抽出です。利用案内の担当や公開日を決める役割は、会議の関係者にあります。整理結果をそのまま担当割り当てや公開予定の通知へつなぐ前に、未決事項を確認します。

まずは短いメモ一つで、根拠付きの一覧を作り、元の記録と往復してみてください。整った文章になったかに加えて、「決まっていないことが、決まっていないまま残っているか」を見るための使い方です。

開発する範囲を整理するなら要件定義の始め方、決定した内容を確認可能な仕様へ落とすなら受け入れ条件の書き方も参考にしてください。

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