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解説・作例 · 文書レビュー ·

長い文書の改訂をAIと確認する:差分から作業の変更へ

旧版・新版の対応表を作り、変更・移動・削除と仕事への影響を照合する。

この記事の目次

長い手順書が更新されたとき、知りたいのは「どこが変わったか」に加えて、「明日から誰の作業が変わるか」です。AIに新版だけを要約させても、旧版との違いや消えた条件までは分かりません。

この記事は、社内の利用案内や運用手順の改訂を確認する担当者向けです。機械的な差分を入口にし、AIには変更の意味を整理してもらう流れを扱います。以下は架空の文書と出力の作例で、特定モデルの実行結果や精度評価ではありません。

先に比較する二つの版を固定する

Microsoftが案内するWindowsデスクトップ版Wordの比較機能は、元の文書と改訂文書の差を第三の文書へ表示できます。文字、コメント、書式など比較対象も選べます。ここでは原本を保つため、結果を新規文書に表示する設定を使います。Microsoft:文書の比較

これはWordの機能の説明で、AIによる比較の正確さを保証する資料ではありません。テキストなら差分表示ツールを使うなど、手元の形式に合わせます。元ファイル名、版、取得日を記録し、AIには差分だけでなく、変更された段落とその前後も渡します。

長文を章ごとに分ける場合は、章の一覧と処理済みの範囲を別に残します。一章を確認しただけなのに、文書全体を確認済みとしないためです。

作例:会議室の利用案内を比べる

旧版と新版から、同じ項目を抜き出した入力です。番号は比較用で、実際のページ番号ではありません。

旧版 v1
[O1] 予約は利用日の前日17時まで受け付ける。
[O2] 備品が必要な場合は受付へ連絡する。
[O3] 利用後は机を元の配置に戻す。

新版 v2
[N1] 予約は利用日の2日前17時まで受け付ける。
[N2] 備品は予約フォームで選択する。
[N3] 利用後は机を元の配置に戻す。
[N4] 予約変更は受付へ連絡する。

AIに求める成果物は、変更箇所と影響を対にした表です。「受付への連絡が不要になった」など、別項目へ広げた解釈は入れません。

対応 文書上の変更 仕事への影響案 確認が残ること
O1→N1 前日から2日前へ 予約を申し込む時期が変わる 休日の数え方、適用開始日
O2→N2 受付への連絡からフォーム選択へ 備品の申込み先が変わる 申込み後の備品変更方法
旧版に対応なし→N4 予約変更の連絡先を追加 変更時は受付へ連絡する 変更できる期限
O3→N3 変更なし 今回の変更案内には含めない この文の範囲ではなし

影響は記事側の読み取り案です。適用開始日がない以上、「今日から2日前まで」とは案内できません。担当者の回答を得てから変更通知へ進みます。

変更・移動・削除を混同しない

段落が別の章へ移っただけでも、部分的な差分では削除と追加に見えます。AIが「机を戻すルールは廃止」と書いたら、新版全体から同じ内容を探します。語句の変更だけで業務が変わるとも限りません。

反対に、「原則」「ただし」「対象外」が一語消えると、適用範囲が変わる場合があります。数字と期日だけでなく、否定、例外、対象者を照合する欄を用意します。図や表が画像になっている文書では、抽出テキストに載っているかも確認が必要です。

AIが差を見つけなかったことだけを、差がない証拠にはしません。レビューは次の二方向で行います。

  1. 表の各行から旧版・新版へ戻り、引用箇所と影響案が合っているか読む。
  2. 機械的な差分の各箇所から表へ戻り、表に載っていない変更を探す。

最後に渡すのは、確認先のある変更一覧

AIへ依頼するときは「旧版箇所、新版箇所、変更内容、影響案、未確認事項の順で整理し、意味が同じ移動と削除候補を分ける」と伝える案があります。出力する通知文より先に、この一覧を担当者が確認します。

原文を渡す範囲は、利用するAIサービスと社内の情報取扱いルールに合わせます。公開案内の改訂なら、まず一章だけで試し、同じ文の移動、例外の削除、期日の変更を含む箇所で照合してください。誤りがあれば、どの種類の差で外れたかを残します。

すべての改訂をAIへ渡す必要はありません。数行の変更なら、差分を直接読む方が手軽です。長い文書では、読む対象を整理する補助として使い、原本との照合を省かないことがこの使い方の範囲です。

改訂の打ち合わせで決まったことを残すなら、会議メモの決定と未決を分けるも参考にしてください。

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