🚀Railsでループ内のメモリ絞り込みを活用するテクニック
Rails開発者が一番頭を抱えるのが、N+1問題をどう避けるかでしょう。
定石はeager loading
を使用することだと思いますが、それだけでは防げないケースも多々あると思います。
そういった際に、メモリ内処理というのを活用できる選択肢を持っておくと、問題解決の幅が上がると思っています。
私自身、実際のプロジェクトで大量のデータを扱う際に、メモリ内処理を利用して助かった経験があります。
今回はその経験を踏まえて、「ループ内でのメモリ絞り込み」のテクニックをいくつか調査・整理してみました。
📋 メモリ内で処理するための重要テクニック一覧
まず、実際の現場で役立ちそうなテクニックは次の通りです。
テクニック | 内容 |
---|---|
where(...).to_a |
事前にまとめて取得してメモリ展開 |
select { ... } |
メモリ内でのデータ絞り込み |
group_by(&:key) |
ループ前に分類して高速アクセス可能に |
index_by(&:id) |
IDなどをキーにしてハッシュで高速アクセス |
🛠️ それぞれのテクニックの詳細とユースケース
1. 🔹 where(...).to_a
クエリの結果を一度に取得し、メモリ内に展開します。ループ内で何度もデータを取りに行くことを避けられます。
実例コード
posts = Post.where(published: true).to_a
2. 🔹 select { ... }
メモリ内にあるデータ群から条件に合ったデータを絞り込みます。非常に高速で、追加クエリは発生しません。
実例コード
published_posts = posts.select { |post| post.published_at > 1.week.ago }
3. 🔹 group_by(&:key)
取得したデータをループ前にグルーピングすることで、データへのアクセスをハッシュで高速化できます。
実例コード
grouped_posts = posts.group_by(&:user_id)
users.each do |user|
user_posts = grouped_posts[user.id] || []
puts "#{user.name} は #{user_posts.count}件の投稿があります"
end
4. 🔹 index_by(&:id)
データをIDでハッシュ化し、高速に1対1でアクセスできます。単一データの迅速な参照に役立ちます。
実例コード
users_by_id = User.all.index_by(&:id)
post_author = users_by_id[post.user_id]
💡 自分が助けられた実体験
以前、ユーザーごとの大量投稿データを表示する機能を開発した際、select
を使ったメモリ処理で劇的にパフォーマンスが改善しました。
具体的には、
- 改善前:ループ内で毎回クエリが発生(N+1問題)
- 改善後:一度メモリ展開後、
select
を用いて絞り込み
という流れで、DBへの負荷が激減し、ユーザー体感速度も大幅に向上しました。(実に200倍近い処理速度の改善!!)
🎯 まとめ
ループ内でのメモリ処理は、実装時に特に悩まされやすいポイントです。
今回紹介したテクニックは実際に試してみたものもあるので、ぜひプロジェクトで活用してみてください。